赤字が3か月続き、飲食店コンサルへ相談すべきか、まず無料の経営相談を使うべきか迷っている小規模飲食店オーナーへ。
この記事では、飲食店コンサルの費用を単純な安さで比べず、損失の期限、依頼範囲、成果物、回収ラインという4基準で判断する方法を解説します。読み終えると、自分で進める範囲、公的な無料相談が合う範囲、飲食店に特化した有料支援を検討する範囲を切り分けられます。
私は飲食業界に20年携わり、元統括料理長として40拠点のマネジメントを経験しました。調理師・製菓衛生師・宅地建物取引士・簿記2級・ビジネスマネジャーの知識も使いながら、現場と数字を同じ表で見ることを重視しています。コンサルを使うこと自体を目的にせず、店に必要な支援だけを選ぶことが大切です。
飲食店コンサルの費用は、安さより回収条件で見る
コンサル費用が高いか安いかは、金額だけでは決まりません。何を整理し、誰が実行し、いつまでに判断するかで必要な支援が変わるためです。
たとえば、原価率の計算方法が分からないだけなら、自分で計算表を作るか、公的な無料相談で整理できる場合があります。一方、メニュー別原価、人員配置、営業時間を現場で同時に確認し、毎週修正する必要があるなら、飲食店に特化した継続支援の方が合う場合があります。
中小機構によると、よろず支援拠点は国が全国に設置する無料の経営相談所で、中小企業・小規模事業者の売上拡大や経営改善などに対応しています。無料の相談先がある以上、「有料でなければ相談できない」と考える必要はありません。
逆に、無料か有料かだけで決めると、必要な現場作業が支援範囲に入っていなかったり、急ぐべき判断が遅れたりします。費用と同時に、対象業務、成果物、期間、実行担当を確認します。
無料相談・単発診断・継続支援の違い
| 選択肢 | 向いている課題 | 確認すること |
|---|---|---|
| 公的な無料相談 | 課題が整理できない、利用できる支援機関を知りたい | 相談対象、予約方法、支援範囲、実行作業の有無 |
| 単発診断 | 数字を見て最初に変える項目を決めたい | 面談時間、事前資料、納品物、相談後の営業条件 |
| 重点改善・継続支援 | 商品、原価、人員、現場運営を一定期間実行・検証したい | 担当業務、訪問・会議頻度、期間、追加費用、終了条件 |
C'est parti&Hの料金ページでは、2026年8月31日確認時点で、オンライン90分の「飲食店 利益構造診断」を30,000円(税別)、商品開発・重点改善を月額12〜20万円(税別)、経営・現場伴走を月額45〜65万円(税別)としています。開業支援は別料金です。料金や支援内容は変更される可能性があるため、依頼時点の料金ページで確認してください。
単発診断には、事前質問票、90分のオンライン面談、利益構造・優先課題シート、7日間の実行項目、継続支援が必要かどうかの判断が含まれます。実行代行、記帳・税務判断、成果保証は含みません。
依頼前に見る4つの判断基準
1.損失の大きさと判断期限
最初に、毎月いくら現金が減っているか、何週間の資金余力があるかを確認します。赤字が続いていても、改善に使える時間が6カ月ある店と、支払いまで4週間しかない店では、相談先も順番も異なります。
資金余力をまだ計算していない場合は、先に飲食店の資金繰り表の作り方で8週間先まで確認してください。返済猶予、税金、社会保険料、家賃の滞納、債務整理が関係する場合は、飲食店コンサルだけで判断せず、金融機関、税理士、弁護士、中小企業活性化協議会など該当分野へ早めに相談します。
2.依頼範囲を1文で言えるか
「売上を上げてほしい」では、見積もりの範囲を比べられません。次のように、対象、数字、期限を1文にします。
直近3カ月の月商・原価・人件費を確認し、30日間で最初に変える1項目を決めたい。
依頼範囲が曖昧なまま長期契約へ進まず、まず課題整理や単発診断から始める方法もあります。
3.面談後に何が残るか
相談時間だけでなく、面談後に何が残るかを確認します。優先課題シート、原価表、シフト案、30日計画など、店側が実行に使える成果物が明記されているかを見ます。
あわせて、誰が作業するかも重要です。「提案は支援側、入力と現場実行は店舗側」のように担当を分け、追加料金になる作業を契約前に確認します。
4.回収ラインと終了条件
成果保証の有無とは別に、店側で費用の回収ラインを決めます。
単発支援の月間回収ライン = 支援費用 ÷ 回収したい月数
月額支援の最低回収ライン = 月額支援費用
実際には税金、追加作業、改善の継続期間も考慮します。売上増ではなく、支援費用を差し引いた利益と現金残高で判断してください。
モデル計算:3万円の単発診断を3カ月で回収する
次は説明用のモデルであり、私の支援実績や成果保証ではありません。金額は税別で計算します。
| 項目 | モデル値 |
|---|---|
| 現在の月間赤字 | 30万円 |
| 単発診断費用 | 3万円 |
| 回収期間 | 3カ月 |
| 必要な月間利益改善 | 1万円 |
計算は3万円 ÷ 3カ月 = 月1万円です。3カ月間、月1万円以上の利益改善が続けば、単純計算では診断費用を回収できます。
ただし、「月1万円改善すれば十分」という意味ではありません。現在の赤字が月30万円なら、黒字化には月30万円以上の改善が必要です。1万円は診断費用だけの回収ラインであり、赤字解消ラインではありません。
月額12万円の重点改善支援を選ぶなら、支援費用を含めた損益を悪化させないための最低ラインは月12万円です。現在の営業損益が月30万円の赤字なら、支援費を含めて損益をプラスマイナス0まで戻すために必要な改善幅は、単純計算で月42万円以上です。これは成果予測ではなく、費用を含めた回収ラインです。実際の契約金額、期間、税金、追加費用は見積もりで確認します。
一方、判断を1カ月先延ばしし、月30万円の現金減少が同じペースで続けば、手元資金はさらに30万円減ります。支援を使うかどうかにかかわらず、何もしない期間の損失も比較表に入れます。
自分で進める・公的相談・有料支援を切り分ける
| 状態 | 最初の選択 |
|---|---|
| 売上・原価・人件費が揃い、変える項目と担当が決まっている | まず自店で7日間実行し、数字を再確認 |
| 何が課題か整理できず、中立的な相談先や制度を知りたい | よろず支援拠点など公的な無料相談 |
| 飲食店の数字と現場を一緒に見て、優先順位を決めたい | 単発診断を比較 |
| 商品・原価・人員配置を一定期間実行し、毎週修正したい | 重点改善・継続支援を比較 |
| 返済、滞納、債務整理、廃業・再チャレンジが関係する | 金融・税務・法務の専門家、中小企業活性化協議会 |
中小企業活性化協議会は、収益力改善、事業再生、廃業・再チャレンジなどを支援し、第一次段階までは無料と案内しています。第二次段階で外部専門家へ依頼する場合は、活動費などの一部負担が生じます。赤字店が相談先を選ぶときは、飲食店運営の改善と、金融・法務上の対応を分けて考えてください。
改善・継続・撤退の期限をまだ決めていない場合は、飲食店の赤字改善を4つの数字で判断する13週間計画も使えます。
相談前に準備するチェックリスト
- 直近3カ月の月商、食材費、人件費を月別に並べた
- 現在の現金残高と、1カ月の現金減少額を確認した
- 借入返済、税・社会保険料、家賃の支払日を確認した
- 相談したい課題を「対象・数字・期限」の1文にした
- 相談後に必要な成果物を書いた
- 店舗側と支援側の担当を分けた
- 費用の回収ラインと、支援を終了・見直す日を決めた
- 追加費用、最低契約期間、成果保証の範囲を確認した
まとめ
飲食店コンサルの費用は、金額の安さだけで選びません。損失の大きさと判断期限、依頼範囲、面談後の成果物、回収ラインをそろえると、自分で進める範囲、公的な無料相談、有料支援を比較できます。
赤字が続いている店ほど、相談契約を急いで決めるのではなく、何もしない損失も含めて判断期限を決めることが重要です。
料金と支援範囲を確認してから判断してください
対象:赤字が3か月続き、無料相談・単発診断・継続支援のどれを選ぶか迷っている小規模飲食店オーナー
料金ページで整理できること:単発診断、重点改善、経営・現場伴走の料金、含まれる支援、相談から開始までの流れ
準備する情報:直近3カ月の月商・食材費・人件費、現金残高、月々の返済額、最初に整理したい課題。個人情報や口座番号は送らず、まず合計額だけで構いません。
確認後の流れ:無料5分診断、30分相談、支援範囲の決定という順で、長期支援が必要かを判断できます。

