月末の仕入れ伝票を並べて、来月のメニュー表とにらめっこする夜がある。鶏肉の相場が上がり、油も、容器も、じわじわ上がっている。それでも「値上げします」と貼り紙を出す手が、なかなか動かない。
この記事を読み終える頃には、値上げを客離れではなく客単価アップに変えるための、伝え方の順番とタイミングの決め方が1つ分かる状態になっている。
なぜ2026年、値上げを先送りできないのか
2026年7月は食品2,566品目が値上げされ、単月で2千品目を超えるのは3カ月ぶりの水準だったと報じられている。鶏肉相場の高騰、いわゆる「チキンショック」も外食業界に波及し、メニューの一部休止や食材変更に踏み切る店も出てきていると言われている。大手チェーンでも45品を一斉値上げしたり、1,200店規模で価格改定をしたりする動きが続いており、外食企業の6割が値上げを予定しているという調査もある。つまり2026年は「値上げする店」がもう少数派ではない年になっている。ここで先送りを続けると、原価だけが上がり続け、利益がじわじわ削られていく。
客離れを防ぐ値上げの伝え方・3つの原則
理由を先に、数字は控えめに伝える
「原材料費の高騰により」だけでは伝わらない。「鶏肉・食用油の仕入れ価格が上がったため」など、具体的な品目を1つか2つ挙げるだけで、客の納得感は変わる。値上げ幅そのものより、理由の解像度が信頼を左右する。
値上げ幅を一度に取らない
看板メニューを一気に300円上げるより、まず100円、数カ月後にもう100円という分散の方が離脱は起きにくい。常連ほど「急な値上げ」に敏感で、「少しずつ」には慣れていく。
価格と同時に、価値を1つ増やす
値上げと同時に、盛り付けを少し丁寧にする、器を変える、一言メッセージを添えるなど、客が「値段が上がった分、何かが良くなった」と感じられる要素を1つ足す。値上げだけを伝えると値下げ交渉の材料にされやすいが、価値とセットにすると納得材料になる。
値上げのタイミング設計
繁忙期の直前(金曜の夜など回転数が読みにくいタイミング)に値上げを重ねると、クレームが集中しやすい。平日の落ち着いた週明けに切り替え、常連の反応を見てから土日の価格に反映する店は、離脱率が低いと言われている。またメニュー改定のタイミングに合わせて価格も見直すと、「値上げ」ではなく「メニューリニューアル」として受け止められやすい。
値上げ後にやることチェックリスト
- 値上げ後1週間の客数・客単価を必ず記録する
- 常連客の反応(会話・口コミ)を店内でメモに残す
- SNS・POPの告知文言に「理由」と「価値」の両方を入れる
- 値上げ幅は品目ごとに10〜15%以内を目安にする
- 3カ月後に原価率を再計算し、次の改定時期を決める
まとめ
- 2026年は値上げが多数派になりつつある年
- 理由を具体的に、値上げ幅は分散して伝える
- 価格と同時に価値を1つ足すと納得材料になる
- タイミングは繁忙期を避け、反応を見ながら調整する
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値上げのタイミングや伝え方は、業態や客層によって最適解が変わります。原価計算や価格改定のご相談は、原価・価格改定のコンサルティングからお気軽にどうぞ。
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