出店判断や居抜き物件の契約前に、想定外の支出を防ぎたい開業予定者へ。
この記事では「初期費用1/4の居抜き物件、退去時に「原状回復費」で泣く店としない店の違い」を、読み物ではなく、自店の数字で判断して次の行動を決めるための材料に変えます。最後まで読むと、最初に確認する数字、今週実行する1項目、専門家へ相談すべき境界が分かります。
【数値の読み方】
この記事内の数値は、出典を明記した統計を除き、改善を保証する実績ではありません。条件を理解するためのモデル計算・試算例です。実際の結果は、業態、立地、営業時間、客数、価格、原価、人員構成で変わります。

この記事を読めば、居抜き物件を選ぶときに「入居時の安さ」だけで契約を決めず、退去までの総コストで判断する目線が身につきます。閉店後に原状回復の見積書を前に固まる、そんな展開を避けるための具体的な確認ポイントを持って帰ってください。
居抜き物件で開業すれば、スケルトンの工事費に比べて初期費用を4分の1から5分の1程度に抑えられると言われています。厨房設備も内装もそのまま引き継げるので、契約から開店までの期間も短く済みます。だからこそ、多くの経営者が「安く・早く」開業できる居抜きを選びます。
ただ、開業から数年後、退去のタイミングで見積書を前に固まってしまう経営者は少なくありません。契約書に「原状回復義務」という言葉があり、入居時の姿に戻すための工事費用を全額自己負担しなければならないケースが一般的だからです。入居時に浮いたはずの費用が、退去時にまとめて請求される。この記事では、そうならないための確認ポイントを、内見時・契約時・退去前の3つの場面に分けて整理します。
居抜きの初期費用の安さには理由がある
居抜き物件が選ばれる最大の理由は、前のテナントが残した内装・厨房設備をそのまま使える点です。スケルトンから工事する場合と比べて、坪数や設備グレードにもよりますが、初期費用が4分の1から5分の1に収まる例が多いと報告されています。開業までの期間も、スケルトン工事なら数ヶ月かかるところを、居抜きなら数週間で営業を始められることもあります。
この「安さ」は入居時点だけの数字にすぎません。設備の状態、契約条件、退去時の負担まで含めて見なければ、本当に得な物件かどうかは判断できないのです。
内見で見るべきは「厨房のダクト」と「造作譲渡料」
内見のとき、厨房の奥にあるダクトを指でなぞってみてください。油汚れがべったり付いてくるようなら、清掃されないまま何年も使われてきた設備という証拠です。表面上は動いていても、あと数年で交換が必要になる可能性があります。
前のテナントに支払う「造作譲渡料」も、内装や設備の対価として発生します。この金額が周辺相場より高い場合、設備の実際の価値と釣り合っていないことがあります。席数20・客単価4,000円の想定モデルで、造作譲渡料が月商の何ヶ月分に相当するかを計算してみると、投資回収の見通しが立てやすくなります。
退去時に効いてくる「原状回復義務」
飲食店の賃貸借契約では、退去時に入居前の状態(スケルトン)まで戻す原状回復義務が借主側に課されているケースが一般的です。居抜きで引き継いだ内装や設備も、退去時には自己負担で撤去することになります。
閉店を決めた夜、レジ締め後の伝票の束を片付けながら契約書の原状回復の項目を読み返し、初めて負担額の大きさに気づく。そんな経営者の話をよく聞きます。契約時点で「退去時にいくらかかりそうか」の概算を不動産会社や施工会社に確認しておくだけで、この驚きは避けられます。
用途地域と解約予告期間も事前確認を
物件が所在する用途地域によっては、開業後に営業形態の変更や深夜営業が制限される場合があります。契約前に自治体の窓口や不動産会社に用途地域を確認しておくことが欠かせません。
契約書にはもう一つ見落としやすい条件があります。解約する場合「解約予定日の3〜6ヶ月前までに届け出る」といった予告期間の定めが一般的で、この期間を知らずに動くと想定より長く家賃を払い続けることになります。物件選定や契約条件のご相談は出店・物件選びのサポートでも承っています。
実際にどれくらいの原状回復費がかかるのか、造作譲渡料をどう回収計画に組み込むかは、店舗の坪数や設備状況によって大きく変わります。実際の数字を使ったシミュレーションと事例は、有料note版で詳しく解説しています。
まとめ:契約前に確認したい5つのポイント
- 内見時は厨房設備の劣化を実際に触って確認する
- 造作譲渡料が相場・設備価値と釣り合っているか計算する
- 原状回復にかかる概算費用を契約前に業者へ確認する
- 物件の用途地域を自治体・不動産会社に確認する
- 解約予告期間(3〜6ヶ月前が目安)を契約書で確認する
今日の営業が終わったら、まずは自店の賃貸借契約書を引っ張り出して、「原状回復」と「解約予告期間」の条項だけ確認してみてください。今すぐ退去する予定がなくても、条件を知っているかどうかで数年後の負担は大きく変わります。
C’est parti&Hでは、物件選定から契約条件の確認、開業後の収支計画まで飲食店経営者に伴走するコンサルティングを行っています。居抜き物件の見極め方に不安がある方は、料金プランをご覧のうえお気軽にご相談ください。
自店の場合を30分で整理したい方へ
「初期費用1/4の居抜き物件、退去時に「原状回復費」で泣く店としない店の違い」を自店へ当てはめるには、物件概要・初期見積・月次収支計画をご用意ください。C’est parti&HのLINE無料相談では、数字を見ながら、最初に変える1項目と、今は触らない項目を整理します。
- 対象:出店判断や居抜き物件の契約前に、想定外の支出を防ぎたい開業予定者
- 相談で決めること:現状のボトルネック/優先順位/7日以内の行動
- 相談前の準備:物件概要・初期見積・月次収支計画
