「テイクアウトやデリバリーを始めれば売上が増える」。そう考えて取り組んだものの、月末に数字を見ると思ったほど利益が残っていない――そんな経験はないでしょうか。実はテイクアウト・デリバリーは、店内飲食とはコスト構造がまったく違うと言われています。同じ売上でも、手数料や容器代を計算に入れていないと、忙しく働いたのに利益はむしろ減っていた、ということが起こりがちです。この記事では、売上ではなく「利益」を残すための考え方と、今日から見直せる7つの実践法をやさしく整理します。
なぜ「売上は増えても利益が残らない」のか
デリバリー代行サービスを使うと、注文金額のおよそ30〜40%が手数料として引かれると言われています。さらにテイクアウトには容器代がかかり、店内飲食では不要だったコストが上乗せされます。たとえば1,000円の弁当を売っても、手数料で約350円、容器で約80円が消えれば、手元に残る金額は店内提供より大きく目減りします。「席数が増えたのと同じ」と歓迎する前に、まず1注文あたりいくら残るのかを把握することが出発点です。
まず押さえたい3つのコスト構造
① 手数料
自社サイト・電話注文・店頭受け取りであれば、代行手数料はかかりません。代行に頼り切らず、自社経由の注文比率を上げるほど利益は残りやすくなります。代行は「新規との出会いの場」、自社は「利益を取る場」と役割を分けて考えるのがおすすめです。
② 容器・包材
見た目を優先して高い容器を使うと、1個あたりは小さくても積み重なって利益を圧迫します。料理に合った最低限の品質を選び、まとめ買いで単価を下げるのが基本です。SNS映えが必要な商品と、そうでない商品で容器を分けるだけでもコストは変わります。
③ 品質ロス・クレーム
時間が経つと味が落ちるメニューを出すと、低評価や再注文の減少につながります。「冷めても、運んでもおいしい」かどうかは、見えにくいですが利益を大きく左右する要素です。
黒字にするための7つの実践法
- テイクアウト専用の原価表をつくる:店内原価に容器代・手数料を足した「持ち帰り用の本当の原価」で価格を決めます。
- 自社注文の導線を用意する:LINEや自社サイトからの注文を増やし、手数料の高い代行への依存を下げます。
- 客単価が上がるセット化:単品ではなく「2人前セット」「ドリンク付き」にして、1回あたりの利益額を増やします。
- 運んでも崩れないメニューに絞る:揚げ物の衣、麺の伸び、ソースの分離など、移動に弱いものは改良するか外します。
- 受付時間・数量を店内営業と分ける:店内が忙しい時間に注文が重なるとオペレーションが崩れます。受付枠を調整します。
- 容器はまとめ買い+用途別で最適化:過剰品質をなくし、必要な商品にだけ良い容器を使います。
- 毎月チャネル別にふりかえる:店頭・自社・代行で売上と利益を分けて見て、伸ばす場所と縮める場所を決めます。
テイクアウトと相性のよいメニューの考え方
持ち帰りで強いのは、味が落ちにくく、原価率を管理しやすいメニューです。煮込み・丼もの・ご飯系などは時間が経っても比較的おいしさを保ちやすく、セット化もしやすい傾向があります。逆に揚げ物や麺類は工夫が必要です。自店の看板メニューをそのまま出すのではなく、「持ち帰り版」として最適化する発想を持つと、クレームが減り、利益も安定しやすくなります。
より具体的に「自社注文だと1注文あたりいくら残るのか」「代行と自社でどれだけ利益が変わるのか」を数字でシミュレーションした事例や、そのまま使えるテイクアウト原価計算テンプレートは、有料note版で詳しく解説しています。複数の業態モデルでの試算と、明日から使えるチェックリストをまとめているので、自店の数字を当てはめて考えたい方はnoteのC’est parti&Hもあわせてご覧ください。
まとめ
- テイクアウト・デリバリーは「売上」ではなく「1注文あたりの利益」で判断する
- 手数料・容器・品質ロスの3つのコストを見える化する
- 自社注文の比率を上げ、セット化で客単価を高める
- 移動に強いメニューに絞り、容器は用途別に最適化する
- 毎月チャネル別にふりかえり、伸ばす場所と縮める場所を決める
テイクアウト・デリバリーの利益設計や、店全体の利益体質づくりについては、飲食店コンサルティングでも数字に基づいて個別にご相談いただけます。「始めたいが採算が読めない」「すでに始めたが利益が残らない」といった段階に合わせて伴走支援しています。
C’est parti&Hは、飲食店の利益改善を現場の数字に基づいてサポートしています。料金やサポート内容は料金プランをご覧ください。まずは気軽にご相談いただけます。


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