発信や広告を続けても予約・再来店・相談につながらない店舗責任者へ。
この記事では「新規集客に3万円かける前に、月1回来店を増やせないか」を、読み物ではなく、自店の数字で判断して次の行動を決めるための材料に変えます。最後まで読むと、最初に確認する数字、今週実行する1項目、専門家へ相談すべき境界が分かります。
【数値の読み方】
この記事内の数値は、出典を明記した統計を除き、改善を保証する実績ではありません。条件を理解するためのモデル計算・試算例です。実際の結果は、業態、立地、営業時間、客数、価格、原価、人員構成で変わります。
金曜19時、カウンターは満席で、厨房からは絶えず湯気が上がっている。それなのに来月の予約表を開くと、まだ半分近くが白紙のままだ。今月は新規のお客が何組か来てくれたが、来月もまた同じだけ来てくれる保証はどこにもない。そんな感覚に覚えがあるなら、この記事は今日から使える。
多くの店が「新規集客をもっと頑張らなければ」と考える。グルメサイトの掲載プランを見直したり、広告費を増やしたり。だが新規のお客を1組呼び込むコストは、実は既存のお客にもう1回来てもらうコストよりずっと高い。今日は「新規を増やす」でも「客単価を上げる」でもなく、今いるお客の来店頻度を月1回増やす設計に絞って考えたい。
新規集客のコストは、思っているより重い
席数20・客単価4,000円を想定したモデルで考えてみる。グルメサイトの有料プランや広告で新規客を1組獲得するコストは、業態や地域にもよるが数千円〜1万円規模になることも珍しくない。一方、すでに来店経験のあるお客に「もう1回来てもらう」ための施策——たとえばLINE公式アカウントでの一斉配信や、会計時に手渡す次回クーポン——は、1回あたりのコストが数百円程度に収まることが多い。新規集客が無意味というわけではないが、既存客への働きかけの方が投資対効果は読みやすい。
客数×客単価だけでなく「頻度」を見る
売上は客数と客単価の掛け算で語られがちだが、客数はさらに「新規」と「リピート」に分解でき、リピートは「人数」と「来店頻度」に分解できる。常連客が月2回来ている店で、その頻度を月2.2回に上げられれば、新規客を追加で獲得しなくても客数は増える。席数20・客単価4,000円・常連80人という想定モデルなら、来店頻度が0.2回増えるだけで月間の来店数は16回分、金額にして約6万4,000円の押し上げになる計算だ。広告費をかけずに動かせる数字として、頻度は見落とされやすい。
今日からできる、来店頻度を上げる3つの入口
- 次回使えるクーポンを会計時に手渡す:割引額よりも「またこの店に行く理由」を先に渡すことが目的。有効期限を2〜3週間に区切ると、次の来店動機として機能しやすい。
- LINE公式アカウントで一言メッセージを送る:全体への一斉配信よりも、来店間隔が空いているお客に絞って送るほうが反応が出やすい。
- 常連の好みを一言メモに残す:「辛いもの好き」「誕生日は◯月」など、次回の接客で使える情報を残しておく。次に来店したときの「覚えていてくれた」という体験が、来店頻度そのものを押し上げる。
低価格帯でも数字に差がつく理由
7月の牛丼大手の既存店売上は、すき家が前年比+10.9%、吉野家が+6.5%、松屋が0.0%と、同じ低価格帯・同じ商品カテゴリの中でもはっきり差が分かれた(流通ニュース・2026年8月7日)。価格を変えていないのに数字が分かれるということは、価格以外の要素——メニューの見せ方や来店のたびの小さな体験——が来店頻度に影響しているということだ。個人店でも、規模を落とせば同じ考え方は使える。
まとめ
- 新規集客より、既存客の来店頻度を上げるほうが投資対効果は読みやすい
- 客数は「新規」「リピート人数」「来店頻度」に分解して考える
- 次回クーポン・LINE配信・常連メモの3つは、今日の営業からでも始められる
来店頻度を1回増やすだけでどれくらい売上が変わるか、自分の店の客単価と客数に当てはめて計算したい方向けに、実際の数字を使ったシミュレーションと事例は有料note版でさらに詳しく解説している。
飲食店の売上は、新規集客・客単価・来店頻度のどれか1つだけを見ていても動かない。C’est parti&Hでは、原価計算からシフト設計、集客導線の設計まで、数字をもとにした伴走支援を行っている。今の店の状況を一度整理してみたい方は、下記からお気軽にご相談を。
自店の場合を30分で整理したい方へ
「新規集客に3万円かける前に、月1回来店を増やせないか」を自店へ当てはめるには、予約経路別件数・再来店率・直近の発信内容をご用意ください。C’est parti&HのLINE無料相談では、数字を見ながら、最初に変える1項目と、今は触らない項目を整理します。
- 対象:発信や広告を続けても予約・再来店・相談につながらない店舗責任者
- 相談で決めること:現状のボトルネック/優先順位/7日以内の行動
- 相談前の準備:予約経路別件数・再来店率・直近の発信内容

