値上げだけに頼らず、商品構成と注文導線で粗利・客単価を改善したい飲食店オーナーへ。
この記事では「地域食材1品で、客単価が180円動いた話」を、読み物ではなく、自店の数字で判断して次の行動を決めるための材料に変えます。最後まで読むと、最初に確認する数字、今週実行する1項目、専門家へ相談すべき境界が分かります。
【数値の読み方】
この記事内の数値は、出典を明記した統計を除き、改善を保証する実績ではありません。条件を理解するためのモデル計算・試算例です。実際の結果は、業態、立地、営業時間、客数、価格、原価、人員構成で変わります。
仕入れ先を「一番安いところ」で決めていませんか。この記事を読み終える頃には、原価を削らずに、客が誰かに話したくなる仕入れ先の選び方を1つ持って帰れるはずです。
先日、フードリンクニュース(2026年8月5日)で、DDグループがふるさと納税関連企業をグループ化し、発掘した地域食材を傘下・提携する約900店舗の共同仕入れ網で流通させ、飲食店を自治体のPR拠点として活用する動きを進めていると報じられていました。狙いは単純な原価の引き下げではなく、「この店は、この産地とつながっている」という物語を仕入れの段階から作ることにあります。
個人店にこの規模の仕組みは作れません。ただ、発想だけなら今日から真似できます。
安い仕入れ先と、語れる仕入れ先は別物
金曜19時、2回転目のピークで厨房から聞こえてくるのは「もう1品出せますか」という声です。そのとき出せる「もう1品」が、どこにでもある冷凍食材なのか、産地と生産者の顔が見える1品なのかで、客が翌週友人に話す中身が変わります。原価率という数字だけを見ていると、この差は見落とされがちです。
3つの視点で仕入れ先を見直す
1つ目は、産地や生産者の名前を、メニューか口頭で1行説明できるかどうかです。説明できない仕入れ先は、安くても「語れない仕入れ」になります。
2つ目は、その食材が季節や地域の話題と結びつくかどうかです。地域の生産者と直接つながっている食材は、SNSや口コミで拡散される「理由」を最初から持っています。
3つ目は、仕入れ先の数を増やすのではなく、看板になる1品に絞ることです。全品を地域食材に置き換える必要はなく、看板メニュー1品で十分に機能します。
「割高で仕入れにくい」への現実的な対処
地域食材は業務用の一般ルートより単価が高く、ロットも読みにくいというのが正直な現場感覚です。だからこそ全メニューを置き換える必要はありません。看板メニュー1品、季節限定の1皿から始めれば、必要な量は月に数キロ単位で収まります。生産者や道の駅、地域商社に直接連絡を取り、少量でも継続して買い取りたいと伝えると、応じてもらえるケースは珍しくありません。仕入れ量が読める頃に品数を増やす、という順番であれば無理がありません。
客単価4,000円・席数20の想定モデルで見ると
たとえば客単価4,000円・席数20の店で、看板メニューに地域食材を1品加え、メニュー表とスタッフの一言説明で産地を伝えた場合、注文の指名買いが増え、客単価が180円ほど動いたという想定モデルがあります(条件付きの試算です)。レジ横に産地シールを1枚貼っただけで、常連が「これ何」と話しかけてくるようになった、という声も現場ではよく聞きます。原価が多少上がっても、指名される1品があること自体が、価格競争に巻き込まれない理由になります。
まとめ
- 仕入れ先は「安さ」だけでなく「語れるか」で1つ選び直す
- 産地・生産者を1行で説明できる食材を看板に置く
- 全品ではなく、看板メニュー1品に絞って始める
- ロットが読めるまでは少量・継続の取引から始める
実際の数字を使ったシミュレーションと事例は、C’est parti&Hのnote記事群で解説しています。気になる方はこちらもあわせてご覧ください。C’est parti&Hのnote
今日の営業後にまずやること:仕入れ先の一覧を見て、産地や生産者の名前を1行で説明できる食材が何品あるか数えてみてください。ゼロなら、看板にする1品を来週までに決めることが最初の一歩です。
C’est parti&Hでは、仕入れ先の選び方から原価・メニュー構成まで含めた飲食店経営全体のコンサルティングを行っています。自分の店に合う視点が知りたい方は、経営コンサルティングの詳細もあわせてご覧ください。
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自店の場合を30分で整理したい方へ
「地域食材1品で、客単価が180円動いた話」を自店へ当てはめるには、メニュー表・商品別売上・原価・注文数をご用意ください。C’est parti&HのLINE無料相談では、数字を見ながら、最初に変える1項目と、今は触らない項目を整理します。
- 対象:値上げだけに頼らず、商品構成と注文導線で粗利・客単価を改善したい飲食店オーナー
- 相談で決めること:現状のボトルネック/優先順位/7日以内の行動
- 相談前の準備:メニュー表・商品別売上・原価・注文数

